キートン
日時:2004年10月23日(土)19:30〜22:00
場所:大阪南港ふれあい港館:大
ルネ・マグリットを彷彿とさせるチラシ
ビデオで『水街』を見て以来、かなり気になる存在であった『維新派』。
犬島で公演された『カンカラ』を見逃し、悔しい思いをしていたので、今回の題材が『キートン』と知り、喜び勇んでチケット予約。
ちなみに『カンカラ』は、岡山市唯一の有人離島、犬島での公演。昭和初期に操業停止した銅精錬所の跡地に野外劇場が建てられたもの。
人口わずか70人の島に4000人の観客が渡った!
と聞いたら、もうそのシチュエーションだけで心踊ります(><)
今回の『キートン』は、奈良・室生・ドイツ・イタリア・アイルランド・瀬戸内海・犬島・東京・新国立劇場・・・と、果てない漂流の末、4年ぶりの維新派大阪公演!
『バスター・キートン』と言えば、チャップリンとは対照的な涙なきコメディ?映像として美しい!
ドタバタ喜劇のようでいて、キートンの端正(端整)かつ飄々とした身のこなしに笑いを忘れて映像に釘付けになる。そんなイメージ。
【バスター/Buster】とは大暴れで破壊するもの。つまり、『破壊者キートン』。
壊す壊す!とにかく一歩動くたびに周辺の物が面白い程に破壊の渦に巻き込まれていく。
今回の舞台も、呆気に取られる程舞台装置が動くし壊れるし変化していく。
前後左右、上下。。。
最初のシーンはどしゃぶりの雨。漆黒の傘とコートを身に纏った人々が行きかう。
少女がひとり、雨宿りをしに映画館の軒下へ走りこんでくる。そしてそのまま映画館の中へ___。
ここからは、映像の中の世界。
傾斜45度の大斜面を大勢のキートンがところ狭しと動き回る。
デ・キリコの絵画に入り込んだような、影が伸びた広場の中を、縄跳びをしながら、鉄車輪を回しながら、走り抜ける少年・少女達。
自分をすっぽり覆いつくしてしまう程大きな新聞。そしてその新聞が衣装に早変わりしてしまうという吃驚な仕掛け!!
少女を追いかけるキートン、蒸気機関車に追いかけられるキートン。
結婚を迫って追いかけてくる大勢の花嫁、崩れ落ちてくる岩石の群。
逃げて追いかけて逃げて追いかけて。。。。果てない格闘と交流と破壊が繰り返される。
個人的に、山高帽子がどんどん積み重なっていく(10以上)様子が何とも可笑しかった。
操り人形キートンもカワイイ。
そしてそれらは、全てがフィルムの中での出来事であった。
という、まさにビデオ映像で見た事のある『キートン』の世界が、再現されていた。
キートン役の人が、すごくイイ。動きが完璧にキートン。はまり役である。
大斜面をスローモーションのように駆け昇っていく姿や、自分の身の丈程もありそうな大きなカバン(2つ)を両手に「キートン走り」する姿が目に焼きついている。
一体いくつの話が劇の中に詰め込まれていたのやら。
中心は、家を作ってそれが最終的に汽車に木っ端微塵にされるという(笑)話しかなー
『キートン』が『維新派』と結びつくとこんな風になるのね〜。うんうん。
セリフは維新派らしく、ほとんどが擬音語。それがまたキートンの無声世界に合っていた。
これは、また観に行かなくては。
*余談*
会場周辺は、『維新派村』なる様。あたかも『戦後の炊き出し』風味な活気ある屋台が軒を連ねていた。
2階にも上がれる完全手づくりの村。す、すごいっ!!ちょっと学園祭な雰囲気も漂う。
『カイロプティック商会』の手回し映写機も、当然の如く登場。
とにかく寒かったので、同行者はトン汁、私は揚げたい焼きを食す。揚げたたい焼きなんて初めて食べたけれど、これが美味しいのです。。アツアツで。
それにしても海辺の野外は寒かった。
約2時間半の間、劇は堪能できたけれど、芯から冷え切ってしまいました。(−_−;
軽い風邪症状。。。引かないワケが無いとは思っていましたが。。。何となく体がダルイ(24日昼現在)
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